MCP (Model Context Protocol) のコアコンポーネントを理解しよう

✅ MCP とは?

大規模言語モデル(LLM)は非常に賢くなってきましたが、外部ツールとの連携やリアルタイム情報の取得は苦手です。
その解決策が Model Context Protocol(MCP) です。

公式ドキュメント:https://modelcontextprotocol.io/introduction

MCP の特徴

  • AI アプリケーション(クライアント)と外部ツール・データ(サーバー)を接続するための標準的な方法(オープンプロトコル)
  • 例えるなら、USB-C が複数のデバイスを一つの規格でつなぐように、MCP は LLM と外部世界を接続
  • アプリケーションを変更せずに「プラグイン」のように新機能(ファイル、API、DB など)を追加可能

🧩 MCP のアーキテクチャ概要

役割説明
MCP ホストLLM アプリ(例:Claude Desktop、IDE)
MCP クライアントサーバーと 1対1 で接続を維持
MCP サーバーツールやリソースをクライアントに提供(API, DB, ファイルなど)

🔧 MCP のコアコンポーネント

1. リソース

  • サーバーがクライアントに公開するデータのプリミティブ
  • 例:ファイル、API レスポンス、DB レコードなど
  • 一意のURI(例:protocol://host/path)で識別
  • アプリケーション制御型

2. プロンプト

  • サーバーが提供する再利用可能なテンプレート/ワークフロー
  • 引数やリソースコンテキストを含めることで高度な対話が可能
  • UI にスラッシュコマンドなどとして表示されることも
  • ユーザー制御型

3. ツール

  • サーバーが提供する実行可能な機能(アクション)
  • LLM がツールを自動で呼び出すことが可能
  • 例:Web 検索、ファイル削除、データ処理
  • 各ツールにはアノテーション(readOnlyHintdestructiveHint)付き
  • モデル制御型

4. サンプリング

  • サーバーから LLM に補完をリクエストする仕組み
  • セキュリティとプライバシーを守りつつ、複雑な応答生成が可能
  • クライアントが LLM へのリクエストとレスポンスを仲介し、内容をレビュー
  • Human-in-the-loop を実現

5. ルート

  • サーバーに**操作対象のスコープ(範囲)**を伝える仕組み
  • 通常はディレクトリパスや URL を指定
  • サーバーはその範囲内のリソースを優先的に操作・検索する

📡 MCP の通信基盤

説明
プロトコル層メッセージ構造や通信手順(初期化、応答、終了など)を規定
トランスポート層実際のメッセージ送信を処理。JSON-RPC 2.0 を使用

トランスポートの例

  • Stdio:ローカル通信に便利
  • HTTP with SSE:クライアントへのストリーミング送信向き
  • セキュリティ対策
    • TLSの利用
    • localhost バインド
    • 接続元の検証

🚀 はじめの一歩:MCP を使ってみよう

MCP を試す方法

  • Claude Desktop:MCP サーバーをローカル/リモートで利用可能
  • Postman:MCP サーバーとの通信テストに便利

開発者向け

  • 対応言語:Python / TypeScript / Java / Kotlin / C#
  • クイックスタートで簡単にクライアント・サーバー構築可能
  • デバッグツール:ログ機能、MCP Inspector

📝 まとめ

ポイント内容
MCPAI アプリと外部世界をつなぐ標準プロトコル
Core Componentsリソース、プロンプト、ツール、サンプリング、ルート
通信基盤JSON-RPC ベースのプロトコル + 柔軟なトランスポート方式
応用エージェント構築、拡張機能追加、リアルタイムデータ活用などに活用可能

MCP を使いこなすことで、あなたの LLM は「世界とつながる存在」へと進化します。まずは簡単な設定やクイックスタートから、その可能性を体験してみましょう!